映画 幸福な囚人を観ました。意外と楽しめたのでよかったです。意外とレビューの評価がよかったので気になってみました。
ちょっと大人な映像とえぐい映像があるので苦手な方は注意が必要です。
まずは概要です。
無口で不器用な会社員の澤田(山中アラタ)は、不妊症をきっかけにうつ病になった妻(小原徳子)を献身的に支えるが、自身も次第に精神を病んでいく。そんな中、海外企業から岸本(児玉拓郎)という男が、同期として転職してくる。自分とは対照的に自信満々の岸本と親しくなるが、徐々に岸本の暴力性、猟奇的な一面を目の当たりにし、恐怖感を覚えていく。その一方で、危険な魅力のある岸本のカリスマ性に、徐々に魅せられていく。「もっと本能に忠実になれ」と岸本に吹き込まれ、心が揺れていく澤田。やがて澤田は、自分と同じく家庭に悩みを抱える女性社員の美奈子(百合沙)と不倫関係となるが、その美奈子にも社内で自分の立場を守るために「澤田から迫られた」と吹聴されて、裏切られる。絶望の中、澤田は、自分の中に眠る狂気的な一面を開放していく・・・©ABCライツビジネス
監督 天野友二朗
出演 山中アラタ, 児玉拓郎, 小原徳子
ジャンル サスペンス
オーディオ言語 日本語
参考にしたレビューです。
「でもタイトルは幸福な囚人。うまいこというなぁ。
幸福に囚われずに生きてる(生きてきた)人には伝わらない作品かも。
傷のある獲物を誰もが見逃さない。主人公はサバイバーから抜け出せるすべがなかった。
壊れてしまったらから幸せなんだろうか。
DVやモラハラの作品は無関係に生きてきた人には理解しがたいところがあるかなと思う。
結局心が壊れないとサバイバーは救われないんだと思うととてもつらい映画だった。」
「タイトルが皮肉になってしまっている。主人公澤田の考えとして、幸福及び幸福と思われることを維持することの意味にとらわれ、囚人のようになっていないかということですが、囚人から飛び出すための狂気が無いと、飛び出せないのか?
星3寄りの4の気持ちです。
最後の姿が、最初の姿と重ねると、実際の犯罪者達が社会に適合できなかったあわれな人、どこか壊れてしまった人、という風に同情されるかもしれないので、それは違うとあらかじめ伝えておきたい気持ちです。
澤田の立場からすると、安らぎを得る場所であるはずの家庭も、毎日、戻りたくない場所になりかねない。しかしホテル暮らしするほど金は無いということだと思います。地方では、なかなか広い庭付きの家も数百万円で買えるので、そのような暮らしであると。
澤田が実際に殺したのは妻だけだと思います。現代人よ、なんてメッセージは違う。別の方向での解放もあったはずです。」
「各々が自由に選択しているようで、実は社会に浸透した単一の価値観の中で生かされている現代社会。
自分本来の価値観には気づかぬまま、狭い世界で競い合い、その憤りややり場のなさを互いにぶつけ合う、まさに「一見豊かで幸福っぽい盲目の囚人」と言った、現代人が抱える苦しみをわかりやすく表現されていた。
さらにその世界観に気づいているのは登場人物の中で主人公だけであった。
しかし、その主人公も幼い頃のトラウマにより、羽をもがれた鳥のように自由に振る舞うことができず、理解者もいない孤独な状況の中で苦しみもがいていたと思う。
推測ではあるけど、妻を殺してしまったのも、自分の中の綺麗事であったり、共通の苦しみを持つ者同士という繋がりを絶ちたかったのだろうと感じた。
そんな主人公の内側にあるエゴの叫びをファイトクラブのような幻覚で表現していたのも面白かった。
本作の象徴にもなっていた凶器が、刃物ではなくハンマーだったのも、「衝撃があるもの」だから選んだのかな?
こういう映画を理解する人が増えると、世界はもっと平和になると思うんだけど、、、と思える作品だった。
そういう意味でも、最後まで自分の檻から出られなかった主人公が、自らを精算して自由になった様子を少し見たかったと思った。」
結論ですが、ブラッド・ピット、エドワードノートンがでていたファイトクラブがもとになっています。
ファイトクラブを観たことがある人なら途中で「あっ」となるはずです。
自分の持っていないものを持っている岸本にあおられて、すごいことをしてしまいます。
ファイトクラブは殴り合いと石鹸ですが、こちらは●人です。
奥さんが岸本にやられているシーンはまさに同じようなシーンがありますよね。
おそらくファイトクラブを観たことがない方は楽しめると思います。ただ、大人の映像があるのでちょっと注意です。ただ、やっぱりファイトクラブとは似て非なるもので、ファイトクラブでタイラーが突然でてきたときの伏線からの衝撃には当然、かなわないですね。。
ホラーが好きな人は見て損はない作品だと思いました。