IT業界に限らない話かもしれませんが、何度も見てきた光景があります。
それは、目を輝かせた人達が、時間の経過とともに眼の光がなくなることです。
この業界に入った一年目の人はかなりモチベーションが高い状態で入ってくる人が多いです。IT業界に対していろんな憧れがあったのだと思います。
私もIT業界は華やかで楽しい仕事をイメージしていました。ところが、実際は全然違うんですね。
特に私の場合、ケーブル会社のモデム交換からスタートしました。
個人宅に一件、一件訪問して、古い型番のモデムから新しい型番のモデムに交換するだけの仕事。たぶん、業界の中でも下の方(賃金で考えると)の仕事だったと思います。
ちなみに、その頃の給料は手取りが10万円を切っていました。
仕事的には、モデム交換後、作業用のパソコンに事前にインストールしてあるツールで通信状態のチェックをするぐらいで、ITスキル自体は全くあがることはありませんでした。
ただし、チームで動いていたので、チームワークを学びました。そして、個人宅に訪問していたので、真夏のときなどは「暑い中、ご苦労様」と温かい言葉を頂けることもあり、そういった意味ではある意味満足感は味わっていました。
しかし、給料がいつまでたってもあがりません。その為、資格を取得するといった行動に至るのですが・・・
まず一つ目に気付いたこと。IT業界は、泥臭い作業も普通にあるということです。ちなみに、モデム交換時は作業服で仕事していました(笑)。スーツを着て仕事をしているイメージとは全くかけ離れていたスタートだった訳です。
その後、資格取得していくにつれて、仕事のグレードもアップしていき、2年後には設計業務に携わるチャンスがあり、設計業務をやってきました。
ちょっと自分の話が多くなってきたので、冒頭に戻しますが、以前、某大手ベンダに常駐していた時の話です。
私はそこを抜ける為に四苦八苦していました。あまりに環境が悪かったからです。
そして、会社からの条件で「後任を育てる事」というミッションを受けていました。それから二十代半ばの女性(Aさん)に今の業務を引き継ぐことになりました。
その方はかなりモチベーションが高く、「ずっと構築をしていたので、設計業務ができるので楽しみなんです!」との事でした。
私は現状の環境をきちんと伝えました。「実は設計ではなく、運用スタートだと。評価をもらったら初めて、設計をできるように話をしてもらえる」という裏の事実を伝えました。
「私、嘘つかれたんですか?!」
私は、否定せずに、とりあえず、自社の営業と話をするように伝えました。
そうなんです。Aさんには、おいしそうなエサ(設計ができる)を与えて、現場に連れてきていたのです。
その後、3か月かけて、引き継ぎをしたのですが、引き継ぐ内容が多すぎて、結局最終日は23:00まで仕事をしていました。もちろん、サービス残業です。
サービス残業の実態は、自社の残業は見込み40時間が含まれているのですが、派遣先の残業目標が30時間以内でした。つまり、実質、残業が出る事はないので、みんな残業をつけないようになりました。
そして、その後、そこの組織の人に誘われて飲み会とかに参加したのですが、元気そうだったので「よかった」と思っていたら・・・
その数か月後、別の人から「会社自体を辞めるので、Aさんの送別会に来ませんか?」とメールが来ました。
「えっ、やめちゃうの?」とびっくりしました。
確かに、業務は期待していたものと違うし、環境も悪いので、しかたないと思ってしまいましたが。。。
実際、Aさんに会って話をすると、出るわ出るわの愚痴です。約半年間分の愚痴をぶつけてきました。
「どうして、最終日までこんな遅くまで働かないといけないのしょうか・・・(怒)」
そうなんです。送別会にAさんが参加した時間はすでに、23:00だったんです。つまり、私の時とほぼ一緒です。
そして、話を聞くと地元に戻るとのこと。あまり深くは聞きませんでしたが、半年前に目を輝かせていた人が、半年後に仕事を辞めて地元に戻る・・・。
ちなみに、そこの現場に在任中に、一人、現場から逃亡した人もいました。現場の人間のスキル、人格が形成されないまま、組織が大きくなったので、ひずみが生じているように感じました。
今は一例ですが、このような状況を何度も見てきました。おそらく派遣会社に勤めている人はよく見る光景なのではないでしょうか。
敢えて、「IT業界の不思議」とさせてもらっていますが、私が言いたいことは、何度も人がダウンしているという事です。
仕事は確かに楽しいだけではないですが、それでも、辛いだけはないはずです。それが、辛いだけになった時、人は張り詰めた人が「プッツ」と切れてしまうわけです。
しかし、そのしわ寄せが、未来ある若者をクラッシュしてしまう事もあるんです。
私自身、2度ほど、ひどい環境で仕事をしたことがあります。※8年間派遣をしてきてこの回数は少ない方だと思います。
その時は、自分自身がつぶれると思ったので、嫁に断って、会社自体を辞めました。今思えば、辞めて正解だったと思います。
おそらく、そのまま続けていたら、つぶれていたと思います。
日本人はまじめで責任感が強い人が多いです。その為、限界がくるまで我慢しちゃうんですね。
限界が来たら、その時は、「辞める、辞めない」の話になってしまいます。よく営業がなんでも相談して下さい。といいますが、相談したところで、改善する事は中々ありません。※かなり熱心に動いてくれる営業さんも中にはいますが。
憧れて入ったIT業界。そして、その後、地獄をみて目が死んでいなくなってしまう。
私はこの業界で人がいなくなる時は、なんかさみしい感じがいつもします。それは、単に中のいい人、知っている人がいなくなってさびしいのではなく、その人がHappyな状態ででる事をあまり見ないからです。
自分の人生は暗闇に向かって歩いているはずではないと思います。光に向かって歩いていたはずですよね。気づいたら、暗闇の中にいた・・・なんて事にならないうちに、行動する事。
その行動も成功への大きな第一歩だと思っています。私自身、その時は、現場から逃げた・・・と後ろめたい気持ちでしたが、今となっては、判断は間違っていないと思っています。
そもそも、日本人の仕事に対する姿勢はまじめです。しかしながら、自分の気持ちを封じ込めて、思うような人生を送っていない人が多いのではないでしょうか。
ただし、今のラットレースの中で走り続けると、本来の自分を忘れてしまう事があります。今一度、自分は何をしたいのか、どんな人生を過ごしたいか、そのためのライフプランは?といったような事を考える時間を作り、振り返る必要があると思います。
人生は本来、謳歌するものです。決して苦痛だらけの日々であってはなりません。
あの日輝いていた目の光を取り戻すために。
人生の勝ち負けを決めるのは、どこで働くかだと個人的には思っています。今の職場は現場、スキルによって金額が決まる会社である為、以前の派遣会社に比べて圧倒的に稼げるようになりました。
もし、今の会社に不満があるなら、転職を考えるのも一つの大切な行動だと思います。もちろん、すべての転職に成功するわけではありませんが、転職活動も一つのノウハウがたまります。人生を変えたい方は、よりよい職場を探しましょう!
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