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パスタはなぜ塩入れて茹でる?下味だけじゃなかった3つの理由 奥田政行シェフのゆで論

パスタはなぜ塩入れて茹でる?下味だけじゃなかった3つの理由というのがネットニュースになっています。

 

こちら

 

■「水1リッターにつき塩5~10gが目安」

 ツイッターでは7月中旬ごろから、塩を加える理由は下味のためだけではないかと話題になっている。塩を入れるタイミングについても疑問の声が広がっていた。

 日本パスタ協会は、国内の乾燥パスタ(法令では「マカロニ類」)のメーカーが加盟する業界団体だ。公式サイトで「パスタの美味しい茹で方」を次のように紹介している。

「鍋に水を入れて火にかけ、グラグラ沸騰したら塩を加えます。パスタ100gにつき水1リッター、水1リッターにつき塩5~10gが目安」

 動画では「塩をたくさん入れる3つの理由」として、1)パスタに下味をつける、2)沸点を上げる、3)アル・デンテを作りやすいを挙げている。

 取材に対し協会は、乾燥パスタはうどんと違って製造時に食塩を加えていないため、下味をつけるために塩を加えると説明する。

「ベース(麺)に下味が付いていればソースと絡んだ時に味が引き立つメリットがあります」

 ほか2つの理由についても詳しく尋ねた。

塩を入れることで「沸点」があがる
 協会によれば、常温では蒸発しない塩を水に加えることで、沸点が高くなる。つまり水は一般的に100度で沸騰するが、それよりも高い温度でパスタを茹でることができる。

「どうして美味しくなるのか理由は難しいですが、例えば非常に気圧の低いところ(富士山の山頂付近など)では水は低い温度で沸騰します。こういうところで麺類を茹でても美味しく作れなかった経験があります。一方で当協会が勧めるパスタの茹で方では、沸騰後に麺が鍋の中で軽く動く程度の火力に調整するというのがあり、なるべく高い温度で、かつ、優しく茹でられるという意味があると思います」

 火加減は、お湯がふつふつと沸騰して吹きこぼれず、パスタが湯の中でゆらゆらと揺れる程度がいいという。吹きこぼれるほどグラグラと煮立てると、パスタの表面が溶け出してべたついてしまうそうだ。途中の差し水も「厳禁」としている。

 続いて、アル・デンテを作りやすくなるとはどういうことか。

「パスタはうどんなどでよく言われる『もちもち感』よりはシャキッとした歯ごたえが持ち味です。アル・デンテ(al dente)のdenteはイタリア語で『歯』の意味です」

 協会は、「食べるときにアル・デンテ(イタリア語で歯応えのあるという意味)」になることが理想だとしている。パスタの中心に針先ほどの芯が残っているような食感だ。パッケージに記載のゆで時間は、アル・デンテにするための標準的な時間であり、塩を適量入れることを前提にしていると述べた。

 

 

コメントです。

 

「5%塩水の沸点は、通常気圧の1013.25 ヘクトパスカルでは、100.7度です。
10%では、100.9度です。
塩水濃度で、沸点が変わり、ゆで上がりが変わるというのは、ほとんどおこりません。過去に夏休みの自由研究で実験済です。
塩分でパスタが締まることは考えられます。
しかし、測定しても、顕著な差は確認できませんでした。

下味を付けるという意味が一番強いと思います。」

 

「食品について教えているものです。
うどんは生地自体に塩を入れますが、これはナトリウムイオンがグルテンを引き締める効果をもつために入れています。パスタも同じ小麦粉なので塩分があると引き締まりますがパスタは生地に塩を練り込みません。これはパスタ発祥のヨーロッパの水質に由来します。ヨーロッパは地域により水の硬度が違います。水の硬度が高いところでは塩を入れずに茹でます。水にマグネシウムやカルシウムイオンがたくさん入っているので加塩してしまうとパスタが固くなり過ぎます。一方軟水の地域では塩を入れて茹でます。このように地域により微調整するためにパスタは生地には塩を入れないのです。
塩を入れる理由は他にもさまざまなありますが、この説が私は一番好きです。」

 

「引用元」

パスタはなぜ塩入れて茹でる? 下味だけじゃなかった、業界団体が挙げる「3つの理由」(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

 

 

食感については、やっぱりこの方ですね。

 

パスタの新しいゆで方 ゆで論 単行本(ソフトカバー) – 2020/12/4

 

料理本アカデミー賞『グルマン世界料理本大賞2022』(Gourmand World Cookbook Awards) Single Subject部門グランプリ&Innovative部門2位受賞 〜小麦は、温度や水分によって溶けたり固まったり、膨らんだり粘ったりと、私にとっては “なぞ” だらけの食材でした。

 

目の回るような忙しさのランチタイムが終わると、残ったパスタが私に向かってこう言います。 「今日の僕はヌルヌルになっちゃいました。な〜んでか?」 小麦が問いかけてくるなぞなぞに、試行錯誤の中でたどり着いた答えが「しょっぱいお湯でゆでて、ただのお湯でゆすぐ」という手法でした。

 

この前代未聞のパスタの作り方を突き詰めて考えて、料理理論を構築し「ゆで論」と名付けました。「ゆで論」は、通常の営業だけでなく、数百人単位の大人数のイベントや被災地での炊き出し、コロナ禍でのデリバリーなど、どんなときも私を助けてくれました。そのレシピを初公開します。パスタの新しい表情を知って欲しい、その想いを一生懸命込めながら編みました。ー奥田政行