よろづやアンテナ

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ダン・ケネディから学ぶ!八方美人なメッセージは誰にも響かない


どんなビジネスであれ、ターゲットを絞る事は重要です。


私たちシステムエンジニアの場合、マルチエンジニアを目指すように言われる事があります。一つの事に絞っていれば、将来仕事の食ぶちがなくなる。その為、何でもできるエンジニアになりなさい。


この言葉には、様々な矛盾があります。例えば、会社は社員に何でもできるエンジニアになれと言います。しかし、会社から与えられる仕事は、何年も同じ仕事。また、評価制度もしっかりとしていないので、社員の言葉は届かず、ずっと同じ職場にいることになる。


「こんな状態でどうやってマルチエンジニアになればいいの?」と考えます。 


はたまた、浅はかにマルチエンジニアを目指すと、スキルが広く浅くになってしまい、顧客に必要とされるスキルが伴っていないという人が生まれてしまいます。


何が言いたいかというと、マルチエンジニアというのは理想にすぎず、実際は業務が特化することのほうが多いという事です。そして、さらに言えば、特化した技術の中でも結果を出せない人が、マルチエンジニアという目指すこと時代が的を得ていないのです。


例えば、ネットワークを10年経験したスーパーエンジニアがいるとします。そこから急に畑を変えて、「サーバやりましょうか?」と路線を変える意味はあるのでしょうか?


むしろ、その10年間のノウハウをどのように活かすかを考える方が、費用対効果は圧倒的に高いのです。


私がエンジニアのスキルを判断する時に、「何でもできます」というエンジニアは信用しないようにしています。特に、エンジニア歴が短い人がそんな事を言っていれば、あきらかに虚言であることは明白です。


では、マーケティングを勉強している、ダン・ケネディ「ダン・ケネディから学ぶ「稼ぐ社長」の作り方」で興味深い内容が書かれています。 

 

 

マーケティングにおいて「何でもできます=何もできません」と一緒だと書かれています。


ちょっと冷静に考えてほしいのですが、システムエンジニアであるプロダクトをマスターしようとした時に、短い期間で達成可能でしょうか?


私は仮想基盤の構築を約2年ほどやっていましたが、まだまだ経験値は少ないと思っています。しかし、会社の上司は、「2年もやったんだから十分」だと思っています。この開きはどこから生まれるかというと、実際に仮想基盤の構築をしたことがあるかないかです。


つまり、実際にシステムエンジニアとしてあるプロダクトを得意になる為には、少なくとも数年は継続して行う必要があります。しかも、人は忘れる生き物ですから、いったん、仕事を離れると戦力は落ちていきます。


つまり、システムエンジニアという仕事は「何でもできます」なんて簡単に言えるものではないと気づきます。むしろ大切なのは、これは自信がありますというスキルを身に着ける事です。それが、その人の”売り”になるのです。その売りはターゲットゾーンがあっていれば、お金を生み出してくれるのです。


書籍の中でも、メッセージは総合百貨店のようになってはならないとあります。専門化(ニッチ)する必要があると書かれています。


メッセージは具体的でなればなるほど、マーケットに深くささります。しかし深く刺すためには、マーケットを絞る必要があるとあります。


マーケットを絞る事で、取りこぼしは当然のことながらでてきます。しかしすべてを拾おうとして万人向けのメッセージにしてしまうと、内容がぼやけてしまいます。

 
これは顧客だけに限らず、社内で人を動かしたいときにも同様の事が言えます。あなたの言葉が部下、後輩、同僚、上司に響かないのは、言葉が万人向けで抽象的だからではないでしょうか?


とりあえず「頑張ろう」よりも、「頑張って給料上げよう」の方が、人は頑張る目標が少しでも明確になるのです。同様に「資格をとりましょう」ではなく、「よりよい仕事に就く為に資格をとりましょう」の方が、より具体的になると思います。


抽象的、曖昧な言葉を並び立てる事はかえって、不信感を与える事につながる事を知っておく必要があります。