よろづやアンテナ

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2:6:2の法則のウソ!自分の代わりになる優秀な社員を育てたい

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最近、仕事が忙しくて、ビジネス書を読まなくなりましたが、たまに読むと気付きを与えてくれるので、やはり読書はいいですね。


久しぶりに読んだのは、雑誌ですが、PRESIDENT (プレジデント) 2016年2/29号です。




これは成功した企業の社長などのノート術について書かれているのですが、みなさんはノートを活用していますでしょうか。


私の仕事はシステムエンジニアですが、私がノートを使うのと、企業の社長が使うノートの使い方は決定的に違うと思います。


私の場合は、打ち合わせや決め事などをメモする事が多い反面、企業の社長はアイデアをメモします。


システムエンジニアの仕事の場合、常にパソコンに向かって業務をしていますし、どちらかというと、クリエイティブな発想で新しい事をするというよりは、過去の経験の積み重ねで仕事をしている気がします。


一方、企業の社長は常に会社に改革が要求されたり、新しい斬新なサービスを考えなければならないので、ノートはアイデアが出たらすぐに書けるように肌身離さず持っているそうです。


社長によっては、寝ているときにアイデアが出るので、枕の近くにメモを置いているという人もいます。まさに仕事の鬼ですね。


さて、今回は、そのメモの話ではなく、2:6:2の法則のウソについて言及したいと思います。本書に、出口治明さんの「悩み事の出口」というコーナーがあり、こんな質問がありました。

 


「自分の代わりになる優秀な部下を育てたいのですが、どうすればいいですか?」


この回答として、2:6:2の法則について言及されていて、要は仕事のできない2割に力を注ぐよりも、優秀な2割の人に仕事をドンドンやらせたらいいという内容です。


ちなみに、2:6:2の法則とは、人間の集団の2割は優秀で、6割が普通、2割が常にぱっとしないというものです。これは、働きアリの法則からよく使われるのですが、


100匹の働きアリを観察すると、そのうちの20匹(2割)が良く働き、60匹(6割)が普通に働き、そして残りの20匹(2割)が全く働かない状態になっていて、働かない2割をその100匹から除くと、2:6:2の割合に80匹が分散するそうです。



これを人間の世界にも当てはめていっているのですが、この法則は嘘だと思います。


というのも、以前の職場でこんな経験をしました。ある大型プロジェクトがあり、私はTLをしていたのですが、メンバーについてもらった3人がまさに、働かないアリだったのです。その為、一番年長者のメンバーを鼓舞して頑張ってもらいましたが、やはり、結果は変わらず。


プロジェクトが火を噴きそうだったので、メンバーを出来る人にすべて入れ替えてもらいました。すると、最高のパフォーマンスが出て、おそらく工数が半分以下になったどころか、無駄が減った分、効率よく仕事が進みました。


つまり、出来る人がチームに入ったことで、より仕事の成果が出るようになったのです。仕事が出来る人が入ってくると、2:6:2の法則に基づけば、仕事をしなくなるはずですが、そうではなく、相乗効果が出たわけです。


大事なのは、個人個人の意識だと思います。仕事にプロ意識がある人は、仕事ができる人が入ってきても、自分の仕事はしっかりと行ないます。


2:6:2の法則は、仕事ができる人(優秀な人)が入ってきたときに、「優秀な人が入ってきたから、自分は仕事をしなくてもいいや」と思う人がいれば、この法則に従い、割合が変わる可能性もあるとは思いますが。


さらに、2:6:2の法則の弱点もあります。本書では優秀な2割に仕事ドンドン振ればいいとありますが、ここで、仕事の負荷に差がでると社員から不満が出てきます。


特に給料を能力主義にしていない場合は、優秀な2割から不満が出てしまうでしょう。また、仕事ができない人や、意識の低い人を組織に放置しておくと、そこから負のスパイラルが発生する可能性があるので、ダメ社員はさっさと切りたいですが、日本の場合はそうはいかないんですよね。。。


という事で、結局は優秀な2割の社員に負荷をかけてしまうのは、今の日本社会では当然の構図になるのかもしれません。