休日ということで以前から気になっていた映画 マイ・ブロークン・マリコを視聴したので、ネタバレ レビューです。
まずは概要です。
ある日、ブラック企業勤めのシイノトモヨ(永野芽郁)を襲った衝撃的な事件。それは、親友のイカガワマリコ(奈緒)がマンションから転落死したという報せだった――。彼女の死を受け入れられないまま茫然自失するシイノだったが、大切なダチの遺骨が毒親の手に渡ったと知り、居ても立っても居られず行動を開始。
包丁を片手に単身“敵地”へと乗り込み、マリコの遺骨を奪取する。幼い頃から父親や恋人に暴力を振るわれ、人生を奪われ続けた親友に自分ができることはないのか…。シイノがたどり着いた答えは、学生時代にマリコが行きたがっていた海へと彼女の遺骨を連れていくことだった。
道中で出会った男・マキオ(窪田正孝)も巻き込み、最初で最後の“二人旅”がいま、始まる。(C)2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会
参考にしたレビューです。
「原作は未見ゆえにこの映画を観た感想のみとなるので悪しからず。
主人公二人の演技は目を見張るものがある、ナオさんは相変わらずの化けっぷり。
永野芽衣さんは年齢を重ねるごとにドンドン進化している。個人的には電車に乗り込むやいなや弁当を口一杯にほおばるあの喰いっぷりが何気にツボだった。
作品ではどれほど深い愛情友情そして正義感も知性を伴わないと無力である様が描かれている。
主人公側の家庭が環境は描かれていないが決して上流階級とはいえない(むしろ下に位置する)環境であることが見て取れる。根拠は幼い娘の親友があれほどの虐待を受けていることを娘から相談されない親であるか、または相談されても解決する方法が判らない程度の親であるからだ。普通に考えりゃ子供から親を介して学校や自治体警察との連携でマリコを救う手立てはあったはず。
類は友を呼ぶの言葉が示すように、虐待が行われていたアパート周辺の住民が子供を救わなかったことから、そこの住民のレベルの低さも同程度だということだろう。
「んなわけあるかい!これはフィクションだぞ!」と反論されそうだが、実際毎年どれほどの子供が虐待で命を落としているかを鑑みれば実際もその程度なのである。すでに壊れてしまっていたマリコという少女を真の意味で救うタイミングは彼女たちが大人になる以前に失われていたということだ。
本来の主題は友人関係を軸とした部分だなのだろうが、主人公はじめ登場人物のほとんどが知性を欠いているためどんな正義や正論も力を伴わない。だから邦画や野党にありがちな左寄り思想も人権啓発も知性が伴わないゆえに何ひとつ説得力がないのだ。
主人公には力強く生きてほしいと心から願う。
この「力」とは言うまでもなく「知性」そのものを指す。」
「俳優陣がいい演技をしてる。
特に永野芽郁のふてくされ感、豪快さが小気味よく、
彼女のこれまでのイメージをいい意味で壊している。
ストーリーはこれといった特徴はないが
じわるロードムービー。
心が疲れた時に一人でぼんやり見るのがよい。」
正直、面白かったかと言われたら、うーんですが、考えさせられる内容であったので、そういった点ではよかったです。
親友のイカガワマリコ、タイトルのマリコは、父親に暴力を受け、さらに、ありえないことまでさせて、どんどん心が正常ではなくなっていきます。
毒親によって精神がおかしくなって事件を起こすこともありますし、本当に親が選べないという悲しい事実は存在するのですよね。
そして、冒頭からすごいのですが、その実情を知っている永野芽郁が父親に対して過去の過ちを罵倒し、遺骨は私が持っていくと包丁を持ってすごむところから、もう、破天荒です。
遺骨をもって回想しながら旅に出るのですが、そこで飽きさせないようにいろいろと事件も起こります。
最初からひったくりにあるというのもびっくりしましたが、結果、襲われる女子高生を救うところにある意味、救いがあったのかなと思いました。
おかしくなっていく友達を大事にしていた友達、子供を大事にしない親。。。考えさせられる内容でしたし、実際にこういった親がいる事実もおそろしい。
感情むき出しの演技が見事でした。内容的には好き嫌いがあるかもですが、見て損はないかなと思いました。